
ライスにいただくご相談でいちばん多いのが「すでに広告代理店に運用を任せているけれど、反響がない」というものです。そして、その多くに「今の代理店から、予算を増やしましょうと言われている」という続きがあります。結論から言うと、反響が出ていない状態で予算を増やしても、反響は増えません。増額の前に確認すべき5つのことを、実例とあわせてお話しします。
ライスは、岡山県に事務所を構えて、Meta広告(Instagram・Facebook)を中心としたSNS広告の運用を専門にしているウェブマーケティングの会社です。北海道から沖縄まで、全国の会社様の広告を運用しています。
冒頭にも書いたとおり、いちばん多いご相談は「広告代理店に任せているのに反響がない」です。そして相談には、たいてい続きがあります。
「今の代理店から、予算を増やしましょうと言われている。増やしていいのか分からない」
結論から言います。反響が出ていない状態で予算を増やしても、反響は増えません。出ていくお金が増えるだけです。増額の前に、確認すべきことが5つあります。今回は、実際にご相談いただいた内容をもとに、その5つをお話しします。
本題に入る前に、ひとつだけ業界の構造の話をさせてください。
Meta広告の運用代行は、広告配信費の20〜30%を代理店の手数料にしている会社が一般的です。そしてこの手数料は、広告費とは別にかかります。つまり月10万円の広告を出すなら、支払いは「広告費10万円+手数料2〜3万円=合計12〜13万円」になり、代理店に入るのは2〜3万円です。
図で見る:月10万円の広告を出すとき、実際に払う金額
ただ、お客様側から見れば「反響がないのに、なぜ増やす提案になるのか」という話になります。増額の提案を受けたときは、この構造を頭の片隅に置いたうえで、次の5つを確認してみてください。
いちばん最初に見るのは、配信設定でもクリエイティブでもなく「企画」です。
Meta広告で反響が取れる企画には、共通点があります。エリアが決まっていること、ターゲットが決まっていること、そして限定性があることです。
図で見る:広告に向いている企画・向いていない企画
良い内容であっても、いつ・どこで・誰が行動すればいいのかが伝わらない企画は、広告には向いていません。こういう企画に予算を増やしても、反響にはつながりません。
今の広告が「いつ・どこで・誰に・何を」の4つを満たしているか。企画がずれていれば、以降の4つをいくら直しても効きません。
次に見るのがクリエイティブです。画像、動画、そしてテキスト。
ご相談で非常に多いのが、1枚の画像を作って、そこに月20万円、30万円をかけているケースです。これは、やめたほうがいいです。
理由は単純で、どのクリエイティブが当たるかは、出してみるまで誰にも分からないからです。プロでも分かりません。だから最低でも2〜3パターンは用意して、比べる必要があります。
図で見る:1点集中と、少額での複数テスト
ライスの場合:10パターンを少額ずつ同時に配信
訴求の切り口を変えたもの、写真を変えたもの、文章の入り方を変えたもの。当たりは出してみるまで分かりません。
ライスの場合は、案件によって10パターンほどのクリエイティブを制作します。リール動画を中心に、少額ずつ同時に配信して、「どの訴求がクリックされるのか」「どの動画が反応されるのか」「どの広告から問い合わせにつながるのか」を確認し、反応のないものは止めて、成果の良いものに予算を寄せていきます。
この方法で反響が出ているのは、当てにいっているからではなく、当たりを見つけてから増やしているからです。1種類のクリエイティブに全額をかける運用は、当たりを見つける工程をまるごと飛ばしています。
今、何パターンのクリエイティブを配信しているか。1種類だけなら、増額よりも先にパターンを増やすほうが確実です。
3つ目は配信設定です。ここは、増額の話と直結します。
反響が出ていない広告の設定を見せていただくと、商圏ではないエリアに予算が使われていることが非常に多いです。
図で見る:同じ予算で、届き方がどう変わるか
同じ予算が広く薄く散る。
1人あたりに届く回数が減るので、
「増やさないと反響が取れない」となる。
同じ予算が狭く濃く届く。
同じ人に何度も接触できるので、
予算はそのままでも反響が出やすい。
たとえば岡山市でビジネスをしている会社様なのに、配信エリアが「岡山県全域」になっているケース。県全域に配信すれば、当然、同じ予算では1人あたりに届く回数が減ります。だから「予算を増やさないと反響が取れない」という話になる。でも本当は、予算を増やすのではなく、エリアを絞ればいいだけです。
Meta広告の良いところは、エリアをかなり細かく絞り込めることです。市区町村単位はもちろん、特定の住所から半径何キロという指定もできます。商圏が岡山市南部なら、そこだけに配信すれば、同じ予算で同じ人に何度も届きます。
「エリアを広げて予算を増やす」のと「エリアを絞って予算はそのまま」では、後者のほうが反響は出やすい。これは、ライスが北海道から沖縄まで広告を配信していて、エリアごとの人口や商圏の大きさで予算の適正額がまったく違うことを見てきたからこそ言えることです。
配信エリアが、実際にお客様が来てくださる範囲と一致しているか。商圏の外に予算が流れていないか。
4つ目は、もしかすると今回の5つの中でいちばん大事かもしれません。Metaピクセルの設定です。
広告を配信するだけなら、正直、Instagramを使っている人なら誰でもできます。管理画面で予算と画像を入れれば配信は始まります。
でも、それだけでは反響は取りにくい。差がつくのは、ホームページ側にMetaピクセルというタグを埋め込んでいるかどうかです。
図で見る:ピクセルがあるとき/ないとき
ピクセルを入れると、広告をクリックしてホームページを見た人、問い合わせページまで来た人、実際に問い合わせをした人を、Meta側が把握できるようになります。これができると「一度ホームページを見たけれど問い合わせしなかった人」に、もう一度広告を届けるリターゲティングができます。さらに、実際に問い合わせをした人に似た人へ配信を広げることもできます。
つまりピクセルは、広告の成果を測る道具であると同時に、成果を伸ばす道具でもあるということです。
ここが設定されていないまま広告を代行している会社は、実は少なくありません。ピクセルが入っていなければ、どの広告から問い合わせが来たのかも分からないので、改善のしようがない。この状態で予算を増やしても、反響が来にくいのは当然です。
今の代理店に「Metaピクセルは入っていますか。問い合わせ完了まで計測できていますか」と聞いてみてください。即答できなければ、そこがボトルネックの可能性が高いです。
最後は、広告そのものではなく、広告の先にあるページです。
広告のクリック率は良いのに、問い合わせが来ない。こういうケースは、広告ではなくホームページやLP側に原因があります。
図で見る:どこで止まっているのかを切り分ける
クリックはあるのに問い合わせがゼロなら、それは広告ではなく着地ページの問題です。この状態で広告費を増やしても、解決しません。
ファーストビューを見て、何の会社か・何を案内しているのかが3秒で分かるか。広告で見せた内容と、ページの内容が一致しているか。スマートフォンで見たとき、問い合わせボタンがすぐに見つかるか。フォームの項目が多すぎて途中で離脱していないか。
Instagramからの流入は、ほぼすべてスマートフォンです。パソコンで見てきれいなページでも、スマートフォンで問い合わせまでたどり着けなければ、広告費は流れて出ていくだけになります。
広告会社、動画制作会社、ホームページ制作会社がそれぞれ別だと、この「広告→クリック→ページ→問い合わせ」の流れを一本で見る人がいません。ライスが広告運用だけで終わらず、必要ならホームページの改善まで行うのは、ここに原因があるケースが本当に多いからです。
クリック数は出ているのに問い合わせがない、という状態になっていないか。なっているなら、直すべきは広告ではなくページです。
あるクライアント様は、それまで別の広告代理店に運用を依頼していて、月20万円ほどの広告費を使っても十分な反響が得られていませんでした。既存の代理店からは「30万円に増額しましょう」という提案を受けていた状態です。
そこでライスにご相談いただき、当社からは「いきなり30万円ではなく、まず10万円からテストしましょう」とお伝えしました。
図で見る:予算を増やすのではなく、原因を調べてから減らした
既存の広告会社からは「30万円に増額しましょう」という提案。増やしていいのか判断がつかず、ライスにご相談。
企画・クリエイティブ・配信方法を見直したうえで配信。以前の半分の予算からスタート。
今回お話しした5つを確認し、企画・クリエイティブ・配信方法を見直したうえで配信した結果、広告費10万円で5組の反響を獲得しました。単純計算でCPA(1反響あたりの広告費)は約2万円です。
以前より少ない予算で、実際に反響を取れた。その後、その代理店からライスへ広告運用を切り替えていただいた事例です。ポイントは、予算を増やしたことではなく、増やす前に原因を調べたことです。
※ 業種・エリア・時期によって結果は変わります。同じ数字をお約束するものではありません。CPAは「広告費 ÷ 獲得件数」の単純計算です。
5つを一度に確認する必要はありません。順番があります。
まず企画です。ここがずれていれば、他を直しても効きません。次にクリエイティブと配信エリア。この2つは管理画面を見れば数分で分かります。そのうえでピクセルと受け皿のページ。ここは少し技術的なので、自社で判断がつかなければ第三者に見てもらったほうが早いです。
この4つに数字で答えられる代理店なら、増額の提案にも根拠があります。答えが曖昧なら、増額の前に見直すべきところがあります。
まとめ:予算を増やす前のチェックリスト
この5つのどこかが崩れている状態で予算を増やしても、反響は増えません。逆に、この5つが整っていれば、予算は今のままか、むしろ減らしても反響は出ます。
現在の広告・クリエイティブ・配信設定・LP・ホームページ・計測環境を無料で診断してご報告します。
診断の結果、「今の広告会社にそのまま依頼してください」とお伝えすることもあります。